理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
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総説
心拍-運動リズム間における同期現象の理学療法への応用
竹内 真太西田 裕介
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2009 年 24 巻 5 号 p. 777-784

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抄録

効率の良い動作の獲得は理学療法分野においても重要な課題の一つである。ヒトの歩行や走行などのリズミックな運動中,心拍リズムと運動リズムが近づいた際,2つのリズムが同期現象(CLS)を示すことが報告されている。CLSの生理学的意義として(1)活動筋への最大血流量の増加,(2)心臓後負荷の軽減,(3)静脈還流量の増加に伴う1回拍出量の増加,が考えられている。また,最近の研究より,CLSがリズミック運動中の心血管系と活動筋の協応を示していることが示唆された。そのためCLSは,運動中の血液循環の最適化を目的とした理学療法に応用できる可能性がある。本稿では,2001年以降のCLSに関する文献を中心に,CLSの解析方法,発生機序,生理学的意義について解説し,理学療法への応用の可能性について論じる。

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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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