理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
酸素摂取量から分析した松葉杖歩行と歩行器歩行に関する分析
久保 晃丸山 仁司松本 徹
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キーワード: 歩行器, 松葉杖, 酸素摂取量
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2000 年 15 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

健常成人16名(男性10名,女性6名,平均22.8±4.0歳)を対象にトレッドミル上での松葉杖歩行,歩行器歩行および通常の歩行中の酸素摂取量,移動能率,歩行率を測定した。松葉杖および歩行器歩行の速度は通常歩行の50%と75%の2種類とした。また,嫌気性代謝閾値(AT)も測定した。その結果,酸素摂取量は通常歩行に比べて松葉杖歩行,歩行器歩行で高く,通常歩行の50%速度の松葉杖歩行を除くとほぼAT以上となった。移動能率は松葉杖より歩行器歩行で低下し,歩行率は松葉杖より歩行器歩行で高く,歩行器歩行の酸素摂取量が松葉杖歩行より高くなる要因に歩行率が関与していることが示唆された。これらのことは,下肢機能障害者の体力づくりのための運動処方や循環器疾患を有する患者のリスク管理に応用が可能と考えられた。

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