Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
2-sec-Butylphenyl N-Methylcarbamate (BPMC) のキュウリおよびコマツナにおける吸収と移行
上路 雅子金沢 純岩撫 才次郎
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 3 巻 4 号 p. 371-377

詳細
抄録

殺虫剤, BPMC (2-sec-butylphenyl N-methylcarbamate) の, キュウリおよびコマツナにおける根からの吸収と, 植物体への移行について検討した. 微粒剤あるいは粉剤として土壌に施用した場合, 土壌中のBPMCは根から吸収され, 地上部に移行が認められたが, キュウリではおもに根に検出され茎, 葉, 実には少なく, コマツナにおいては根, 茎葉部でのBPMCの分布はほとんど同じで, 吸収, 移行が植物によって異なる結果を得た. さらに, 吸収, 移行は微粒剤を処理したときのほうが粉剤の場合よりも多く, コマツナでは処理後11日から21日後に吸収, 移行は最高となり, その後減少した. また, 処理した土壌が火山灰土壌の場合, 沖積土壌と比かくして, 根への吸収が極端に少なく, 茎, 葉, 実にはBPMCは検出されなかった. 処理されたBPMCは土壌中で漸減したが, 粉剤で処理した土壌のほうが, 消失速度が早かった. 処理後41日では土壌中の残留は, 両剤型によって大きな差は認められなかった. アセトン抽出後の土壌を0.5N HClで処理することにより抽出される土壌に吸着されたBPMCは, 微粒剤で処理された場合に多く検出された.

著者関連情報
© 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top