Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
除草剤アロキシジンのサトウダイコンにおける運命
添田 吉則石原 莞爾岩滝 功上村 英雄
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 4 巻 2 号 p. 121-128

詳細
抄録

新除草剤アロキシジン (alloxydim-sodium, ADS) の植物における代謝分解を, その化学的変換とともに研究した. 14C標識ADSをサトウダイコンの葉に処理し, 野外条件下におくと初期の半減期11日で放射能が揮散した. 処理葉以外への浸透, 移行は少なく, 6ヵ月後の根におけるADS換算濃度は, 0.002ppmであった. 処理葉における代謝分解物はおもにアミノ体 (CM-I) で, その他は少量のオキサゾール体 (CM-IIおよびCM-III) であった. 10日後における代謝分解物の生成量は, 処理量に対しそれぞれ CM-I 18.0%, CM-II 2.6%, CM-III 2.5%であった. これらの化合物が生成する要因を検討したところ, CM-Iは光により還元的分解で, またオキサゾール体は熱によりベックマン転移して生成するものと考えられた.

著者関連情報
© 日本農薬学会
次の記事
feedback
Top