中国語四声弁別を自習するためのCAIシステムを開発して,インタネットを通して中国語の初級課程の日本人大学生に提供している.予習と練習と復習の用途や,聴取の難しさの違う2音節語の単語表を,各学生の実力に合わせて適切に選ぶことによって,目標に達するまでの学習時間を縮めるのに役立てる.CAIシステムの設計には,中国語声調の精密な音響学的データを活用し,提示する単語表の編集方法も,日本人学生の声の高さの知覚の不慣れに配慮した.とくに,聴覚的な声調弁別の手掛かりに声の高さの変化パタンを視覚的に提示している.約100人の学生の試験の成績から,四声弁別の学習途中の誤りの特性を解析して,CAIシステムの構成の参考にした.このCAIシステムによる練習の前後での成績の向上を40人の学生で調べた結果,学習が遅れた学生の自習の補助手段として有効であることが確かめられた.