日本教育工学会論文誌
Online ISSN : 2189-6453
Print ISSN : 1349-8290
ISSN-L : 1349-8290
対人コミュニケーション・スキルのタスク分析とエゴグラムを活用した診断システムの開発
村中 陽子高橋 充鈴木 克明
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 30 巻 4 号 p. 343-353

詳細
抄録

本研究では,対人援助を責務とする看護学教育に不可欠な対人コミュニケーション・スキルの診断システムを開発した.従来十分時間をかけて教育することが困難な教育課程,曖昧な評価基準,学習の達成感も得がたい学習課題の問題に対処するため,ID(Instructional Design)を用いて,より実践的・客観的な観点で教材開発を行った.エゴグラムを客観的な評価基準とし,学習者のコミュニケーション傾向を診断するプログラムを作成した.看護学生を対象とした運用評価(Web上で5事例をシミュレーション)の結果,エゴグラムパターンを活用することにより客観性のあるフィードバックを可能にしたことが明らかになった.学生が辿った学習コースのパターンは多様であり,本システムが学生の個別性に対応できることもわかった.その結果から,IDの手法は看護学領域の実践的な問題を改善する方法として効果的であり,その適応性が示唆された.

著者関連情報
© 2007 日本教育工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top