2013 年 37 巻 Suppl. 号 p. 41-44
タブレット端末の授業活用に対する教員の意識傾向を把握するために,小・中学校の教員61名を対象に,iPadを例としたタブレット端末の機能,「教育の情報化ビジョン」の考え方,フューチャースクール実証校における実践事例について一斉・協働・個別の各学習形態に関して情報提供した後,これらの内容に対する意識を調査した.その結果,iPadの機能では,写真・動画の撮影・再生,文書や画像への手書き書き込み,プレゼンテーションの作成・提示に対する関心が高く,学習形態では一斉指導での活用イメージを抱きやすいことが示唆された.また,フューチャースクール実証校における実践事例に対しては,「学習者用デジタル教科書利用」,「児童・生徒が体験・取材したことを整理して振り返る活動」には実践に対する心理的コストパフォーマンスが高いものの,「遠隔地を結んで教えあい,学びあう活動」へは困難感が強く,実践に対する心理的コストパフォーマンスが低い傾向が示唆された.