日本教育工学会論文誌
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初年次キャリア教育科目における相互評価学習の実践と進路選択自己効力の向上
桑原 千幸喜多 敏博合田 美子根本 淳子鈴木 克明
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2014 年 38 巻 2 号 p. 79-89

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抄録

主体的なキャリア形成のためには進路選択に対する自己効力を高めることが必要であるが,その適切な介入方法は明らかではない.本研究では,初年次キャリア教育科目においてMoodleを活用した相互評価学習を実践し,受講生の進路選択自己効力の変容を調査した結果,相互評価学習の実施後に進路選択自己効力が有意に向上すること,授業実践前の段階では受講生と非受講生の間に進路選択自己効力の差はないが,授業終了から約2ヶ月後の変化からキャリア教育科目の受講が受講生の進路選択自己効力に影響を与えていることが明らかになった.キャリア教育科目の受講に自己効力向上の効果はあるものの,相互評価学習による介入効果を維持するためには,相互評価学習方法の改善や学習後のフォローが必要であることが示唆された.

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© 2014 日本教育工学会
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