日本教育工学会論文誌
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学部ゼミナールの授業構成が学生の汎用的技能の成長実感に与える影響
伏木田 稚子北村 智山内 祐平
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2014 年 37 巻 4 号 p. 419-433

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抄録

本研究の目的は,教員によるゼミナールの授業構成が,学生の汎用的技能の成長実感に与える影響を検討することである.学部2,3,4年生向けのゼミナールを担当している教員に対しては,学生の特性把握,教育目標の設定,学習目標の設定,学習活動の設定,学生に対する指導を,そのゼミナールの受講学生に対しては,学習意欲と汎用的技能の成長実感を問う質問紙調査を実施した.マルチレベル共分散構造分析を用いてパスモデルを検討した結果,学習意欲の喚起を介して汎用的技能の成長実感を高めるゼミナールの授業構成について,以下のような示唆が得られた:(1)学生の心理的特性の把握をするほど,専門性の習得を目指している.(2)学生の状況的特性の把握をするほど,共同体としてのゼミナール運営を重視している.(3)その上で,教員および学生間での議論や課題遂行の支援を積極的に行っている.

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© 2014 日本教育工学会
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