2012 年 36 巻 Suppl. 号 p. 97-100
本研究では,映像とリンクしてその分析内容も記述できるソフトウェアであるVVCを活用することにより,学習者がより効果的に映像分析を行い,メディア・リテラシーを獲得するための方略について検討する.実験ではVVCを用いた場合の調査対象を実験群とし,比較対象として,一斉に映像視聴してワークシートに筆記用具で書き込むという従来型の活動を行うグループを統制群とした.結果として,実験群の方が統制群よりも映像言語の理解が深まり,グループ議論において映像言語を根拠に挙げて価値観やイメージについて自分の意見を主張する傾向が高まることがわかった.