2005 年 29 巻 1 号 p. 35-42
学生の日本語文章力を向上させるために, 分かりやすい実用文の書き方に関する授業を3年間にわたって実施している.この授業では, オンライン教材を参照しつつ基本的な文章表現法を身に付けた後, 朝日新聞の声欄へ投稿することにより学習成果を確認している.この学習で蓄積された投稿文データを統計的に分析し, 今後の指導で役立てることが本研究の目的である.学生の投稿文を「小論文自動採点システムJess」で解析して, その結果を分析したところ, 文の長さと語彙の多様性ついて, 学生の投稿文と声欄に掲載された投稿文とで有意な差があることが明らかになった.今後は, 今回の結果を参考にしつつ, 日本語文章力を高める学習を推進していく.