日本看護研究学会雑誌
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ベッド・車椅子間移乗が見守り支援から自立に至った回復期脳血管疾患患者がとらえた経験知
髙栁 智子
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2018 年 41 巻 4 号 p. 4_733-4_739

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抄録

 本研究の目的は,ベッド・車椅子間移乗が自立に至った回復期脳血管疾患患者が見守り支援から移乗自立への過程でとらえた経験知を明らかにすることである。
 回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳血管疾患患者11名を対象に,半構成的インタビューを行い,質的帰納的に分析した。患者がとらえた経験知として,《車椅子のブレーキ操作の定着が移乗自立の絶対条件と心得る》《転倒リスクは皆無にできないことを認識する》《障害による身体特性を意識して動く》《移乗の各局面における自分なりのポイントをつかむ》《確実な移乗手順を遂行するために時間の余裕を確保する》《医療者の判断を受け入れる》《訓練室とは異なる環境での移乗に折り合いをつける》の7カテゴリーが抽出された。患者は移乗自立までの経験の中でさまざまな学びを得ており,看護師は,患者が自身の移乗をどうとらえ,努力しているのかを理解し,看護支援に反映させていく重要性が示唆された。

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© 2018 一般社団法人 日本看護研究学会
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