2012 年 35 巻 2 号 p. 2_91-2_101
本研究の目的は,日本の親に『'1-2-3 マジック'子育て支援プログラム』を適用し,その効果を検討することである。そこで,英国で開発された『'1-2-3 マジック'子育て支援プログラム日本版』を作成した。このプログラムは,望ましくない子どもの行動のやめさせ方と望ましい行動のさせ方を教えることに焦点を置いたものである。
3~5歳の子どもをもつ母親49名を対象に,子育ての自己効力感を測定するTOPSE,育児ストレス尺度PSI,子どもの気になる情緒や行動を見るSDQ を用いて,プログラムの効果を評価した。
介入後,TOPSEの全8尺度が有意に上昇していた。また,3か月後もそれらを維持していた。プログラム介入前から3か月後にかけて,PSIの3尺度のうち1つと総得点が,SDQの5尺度のうち2つと総得点が,有意に低下していた。さらに,TOPSEとPSI,SDQの関係を検討した。しかし,本研究においてははっきりした関係は認められなかった。