理学療法学
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1993年度研究助成論文
脳性麻痺の眼輪筋反射と聴性脳幹反応
小塚 直樹舘 延忠黒澤 洋一菅 和洋平野 精一津川 敏
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1995 年 22 巻 4 号 p. 153-159

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抄録

脳性麻痺児12例(痙直型両麻痺7例,アテトーゼ型四肢麻痺5例)に対して眼輪筋反射検査(BR検査)および聴性脳幹反応検査(ABR検査)を実施した。痙直型両麻痺は全例,BR・ABR共に正常所見であった。アテトーゼ型四肢麻痺は潜時延長や振幅低下,反応消失などBRの異常を認め,ABRにおいても成分消失や中枢伝導時間(CCT)延長などの異常所見を認めた。BRの出現状況やABR検査所見はその反射弓の活性,あるいは上位中枢との連絡を含む伝導機能を反映しており,BR検査およびABR検査は,理学療法の中で運動機能障害に注目されがちな脳性麻痺児の潜在的な脳幹機能障害の評価という点で,妥当性のある検査であった。

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© 1995 公益社団法人 日本理学療法士協会
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