アレルギー
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原著
スギ花粉症舌下免疫療法の治療2年目133例における2016年の治療効果
湯田 厚司小川 由起子鈴木 祐輔有方 雅彦神前 英明清水 猛史太田 伸男
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2016 年 65 巻 9 号 p. 1209-1218

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抄録

【背景】本邦初のスギ花粉舌下免疫療法(SLIT)薬の発売後2年が経過した.

【目的】2016年(中等度飛散年)にスギ花粉SLITの治療2年目の臨床効果を検討する.

【方法】2016年のスギ花粉飛散ピーク時にSLIT2年目133例,皮下免疫療法(SCIT)46例(治療1年目3例),初期療法351例,飛散後治療221例,未治療337例で,各症状スコアおよび症状薬物スコア,visual analog scale,日本アレルギー性鼻炎QOL調査票での評価を行った.

【結果】2年間のドロップアウトは計14例(8.6%)であった. 全ての評価法でSCITとSLIT に有意差はなく,共に良好であった.ほぼ全ての評価項目で,SCITとSLITは他の薬物療法より有意に良好であった.併用薬の無い,鼻眼症状スコアが1点以下の例はSLITの26.3%であった.

【結語】SLITはSCITと同程度に良好な臨床効果があり,初期療法などの薬物治療より有意に良好であった.

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© 2016 日本アレルギー学会
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