2007 年 56 巻 10 号 p. 1293-1297
症例は51歳男性.尿路感染のため塩酸ミノサイクリン(MINO)を内服11日目に発熱,咳嗽,呼吸困難を認めた.胸部単純X線写真にて両側網状陰影,両側胸水を認め,経過から薬剤性肺炎を疑い,MINOを中止し,解熱,胸部単純X線上も改善が認められた.薬剤リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test : DLST)を全血,胸水を用いてMINOに対し施行したが陰性であった.しかし薬剤負荷試験を施行したところ,発熱,咳,両側スリガラス陰影が出現し,MINOによる薬剤性肺炎と診断した,ステロイドの投与により症状はすみやかに改善した.