アレルギー
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ダニ抗原過敏性気管支喘息におけるクラスター方式特異的免疫療法の臨床効果の経時的推移
永田 眞田中 弘二
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2001 年 50 巻 5 号 p. 435-439

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抄録

アレルギー性喘息における抗原特異的免疫療法の至適施行期間は未確立である. 本研究では, 集中型免疫療法であり確実に高濃度の維持量に到達できるクラスター方式免疫療法の施行症例の長期的効果について検討した. クラスター免疫療法により特異的免疫療法が導入され, 室内塵(house dust, HD)治療液の10倍希釈液により維持療法が継続されているダニ抗原過敏性気管支喘息患者8名につき, 喘息点数あるいはピークフロー値の変化について検討した. 本療法施行16週後で起床時ピークフローの有意な上昇がみられ, これはその後の経時的変化はみられなかった. 一方, 喘息点数の減少は16週後からみられたが効果がプラトーに達したのは1年後であった. 成人気管支喘息における抗原特異的免疫療法の効果判定時期は維持療法への移行1年後の時点が適切であることが示唆された.

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© 2001 日本アレルギー学会
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