アレルギー
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乳児アトピー性皮膚炎患者における成長発育遅延についての臨床的検討
三好 麻里櫻井 隆児玉 荘一
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1996 年 45 巻 1 号 p. 41-48

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抄録

乳児アトピー性皮膚炎患者の成長発育に関して臨床的検討を行った. アトピー性皮膚炎重症群では, コントロール群, 中等症・軽症群に比して身長SD score, 体重SD scoreが有意に低値であった. また, アトピー性皮膚炎重症群で有意にIGF-1値の低値を認めた. 食事制限ありの群の方が重症患者が多いにも関わらず, 体重SDscore, IGF-1値において食事制限なしの群と有意差は認められなかった. 重症乳児アトピー性皮膚炎患者の成長発育遅延の原因として腸管よりの吸収障害による低栄養の影響が考えられた. 乳児アトピー性皮膚炎患者には適切な食事指導を含めた治療を行ってその成長発育遅延を予防すべきであると思われた.

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© 1996 日本アレルギー学会
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