アレルギー
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市販されている3種類の簡易ピークフローメーターを1000回使用後の測定値の検討
小幡 俊彦椿 俊和坂口 直哉八木 剛一飯倉 洋治
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1994 年 43 巻 11 号 p. 1301-1308

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抄録

現在市販されている3種類の簡易ピークフローメーター (Assess, mini-Wright, Pulmo-Graph)の standard rangeと low rangeを用いて使用前後における測定値の変化, 精度, 再現性, 器械間の変動性をコンピューターによって制御されたフロージェネレーターを用いて検討した. その結果, standard range ; 1. 使用後における測定値は3機種とも480L/min以下の比較的低流量域では変化率は3%以下であったが, 高流量になるにつれて使用後の器械で測定値が高値をとる傾向にあり, 特にAssessでその傾向が大であった. 2. 精度で最も違いが認められたのが Assessで, 使用後の器械で高流量域での測定値が大きくなったため, 結果的にフロージェネレーターの基準値に近づき精度が良くなった. 3. 再現性では使用後の器械も使用前と同様で3機種とも高流量域ほどばらつぎが大きくなる傾向にあった. 特に Assessで使用後の器械のばらつきが大きくなる傾向にあった. 4. 同一機種の器械間の変動性では使用後の Assessでは差が大きくなった. mini-Wrightではほとんど差はなく, Pulmo-Graphは逆に使用後の器械の方が小さくなった. low range ; 使用前と使用後では測定値にはほとんど差はなく, 使用前に比べ, 精度, 再現性, 器械間の変動性でも変化は認められなかった.

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© 1994 日本アレルギー学会
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