1981 年 30 巻 1 号 p. 1-7
モルモット結腸紐のアナフィラキシー性収縮を抑制する neuraminidase の作用機序を検索するとともに, phospholipase A, C のヒスタミン収縮, アナフィラキシー性収縮への影響を調べるため Magnus 法, 酸素抗体法を用い次のような結果を得た。1. in vitro 感作標本で酸素抗体法を行うと, 組織表面に抗体の存在を示す反応陽性部位が観察できた。2. neuraminidase 処置感作標本では, ヒスタミン収縮は影響されないが, アナフィラキシー性収縮は抑制された。この標本では反応陽性部位はほとんど観察できなかった。3. phospholipase A, C 処置を種々の条件で行ったが, 結腸紐の収縮反応性の消失してしまった感作標本においても反応陽性部位が観察された。