1978 年 27 巻 2 号 p. 100-103,113
前回報告した補体cold activationにつき, さらに抗凝固剤, 凝固因子, 血小板の面から検討を加えた.抗凝固剤としてheparin, EDTA, citrateを用い, 凝固因子については凝固II, VII, IX, X因子活性を反映するとされているThrombotestを用い, また血小板の補体cold activationにおよぼす影響については, PRP, PPPについて検討した.血漿においてはcold activationは生じないとされていたが, 長時間における溶血補体価の観察では, 4℃において4時間以降漸減し, 24時間においてはほぼ0となった.ただし, EDTA, citrateに関しては高濃度に用いると阻止可能であった.heparinについては, 高濃度の添加により溶血補体価の低下を招いた.補体cold activationと凝固因子ならびに血小板との関連性は否定的であった.