1977 年 26 巻 7 号 p. 527-533,563
ミリポアフィルター法による抗2本鎖(ds)DNA抗体測定の感度と特異性は, 反応条件により左右される.ds DNA と抗 ds DNA 抗体の反応は, イオン強度および pH が増加すると抑制される.pH 7.6のトリス塩酸緩衝液でイオン強度0.11M以下および0.15Mのトリス塩酸緩衝液で pH 7.2以下では, 非動化正常人血清においても, ds DNA 結合活性が出現する.一方, 新鮮正常人血清においては, 0.15Mトリス塩酸緩衝液(pH 7.2)の条件でも, ds DNA 結合活性がみられる.この結合活性は, 主に Clq によるもので, 血清を56℃, 120分加熱することにより除去できる.