アレルギー
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全身性エリテマトーデス(SLE)における血清およびクリオグロブリンのC1q沈降反応について
石田 豊小野寺 英朗田村 敬博難波 義夫
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1976 年 25 巻 1 号 p. 44-47,50

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抄録

全身性エリテマトーデス(SLE)の急性期症例5例の血清から得たIgG-IgM混合型クリオグロブリン(GM型Cg.)は, 血清と同様にagarose gel内Clq沈降反応が陽性であったが, 寛解期のSLE症例5例の血清から得たIgG単独型クリオグロブリン(G型Cg.)と血清はともにClqとの沈降反応を示さなかった.GM型Cg.の5例中3例はGM Clq型であり, G型Cg.でもG Clq型Cg.はClq沈降反応が陽性であった.GM型Cg.を遠沈除去後の血清はClqとの沈降性を失った.56℃, 30分加熱非働化したCg.の方が, 未処置のCg.よりもClqとの沈降線は強くなり, Clq沈降反応陽性のagarose plateを37℃の状態にすると沈降線は消失したが, 再度4℃に置くと, 一部のCg.では沈降線の再現がみられた.Clq沈降反応陽性のGM型Cg.および血清はDNase処理しても反応は陽性であったが, 2-ME処理を行うと反応は陰性化した.以上のごとく血清およびCg.とClqとの沈降反応は同時期に観察され, 血清とClqとの反応は血清からCg.除去すると陰性となり, SLE血清中のClq reactantは補体結合性のCg., すなわち, いわゆる高分子のClq reactantはGM Clq型Cg.に, 低分子のClq reactantはG Clq型ではないかと考えられる.

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© 1976 日本アレルギー学会
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