日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
サルコペニアがピークフローに与える影響
解良 武士河合 恒平野 浩彦渡邊 裕小島 基永藤原 佳典井原 一成大渕 修一
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2019 年 28 巻 2 号 p. 298-302

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抄録

【目的】呼吸筋も骨格筋であるため加齢による機能低下を免れることはできない.そのため呼吸筋力の指標としての最大呼気流速(PEFR)が,サルコペニア罹患の影響を受けるかを検討した.

【方法】当研究所の2015年コホート研究への参加者427名を対象とした.対象者には体組成,スパイロメトリー,身体機能を測定した.それらをサルコペニア群と非サルコペニア群で比較した後,PEFRを従属変数,サルコペニアの有無と共変量の候補を独立変数としたstepwiseによる重回帰分析を行い,サルコペニア有無によるPEFRの影響を検討した.

【結果】サルコペニア群は非サルコペニア群に比べ,身体機能のほか呼吸機能も低値を示した.重回帰分析の結果,サルコペニア有無はPEFRに有意に関係し(p=0.012),共変量を調整したサルコペニア罹患によるPEFRへの影響は約 0.5 L/secと見積もられた.

【考察】サルコペニアはPEFRを低下させるが,これが将来の健康上の問題とどのように関係しているかについての更なる検討が必要である.

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© 2019 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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