2016 年 9 巻 1 号 p. 29-41
本稿では,ケース・スタディの方法を用い,部門における固定的な予算目標の達成と,事業環境の変化に柔軟に対応するための予算修正がどのように両立されうるのかについて,業績評価上の問題がいかにして克服されうるかという点とあわせて考察した。本稿で考察したケースでは,予算目標は期中固定されていたが,一方で予算と行動計画は月単位で修正されていた。そこでは,この修正に限度が存在することによる管理者のモラール低下のリスクを抑制するため,主観的業績評価が採用されていた。