臨床リウマチ
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誌上ワークショップ チーム医療からみたRAの外科的治療
チーム医療における関節リウマチ患者へのフットケア~看護師の立場より~
正井 静香
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2019 年 31 巻 3 号 p. 252-258

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抄録

 関節リウマチ(以下RA)による足の変形に伴う巻き爪や胼胝形成は,痛みを伴い,創傷形成のリスクとなる.RA治療薬等による免疫能低下が重なり,感染への留意も必要である.また,RAによる関節の腫脹や痛み,手の変形等は日常生活に影響を及ぼし,患者のセルフケア能力を低下させるという問題もある.このため,RA患者の足部の変形に対するフットケアの重要性が認識されるようになり,当院においても看護師による外来でのフットケア実践を開始した.

 ケアの主な内容は足の観察,足浴,爪切り,胼胝・鶏眼の処置,自宅での手入れの方法や靴の選び方の説明等である.単に足のケアとして行うのではなく,体調の変化や病気への思い,療養方法の調整等の話を聴きながら,患者の療養生活全般に関わるよう心がけている.また胼胝形成は足の変形に伴うもので手術適応となる場合もあり,医師からの勧めを受けて,看護師として患者の意思決定支援に関わることもある.

 このように看護師がRA患者にフットケアを行う意義は大きいと考えるが,看護師ができるケアには限りがあり,リウマチ科担当医のみならず,皮膚科・形成外科医師や義肢装具士など他職種と連携したチーム医療として行うことが重要である.また,このようなケアが多くの患者に実践できるための環境作りが今後必要であると考える.

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© 2019 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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