臨床リウマチ
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誌上ワークショップ ドラッグ・リポジショニングが変える膠原病リウマチ性疾患治療
リツキシマブ
川上 純福井 翔一岩本 直樹
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2017 年 29 巻 4 号 p. 276-280

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抄録

 全身性血管炎であるANCA関連血管炎(AAV)は顕微鏡的多発血管炎(MPA),多発血管炎性肉芽腫症(GPA),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA),腎限局型ANCA関連血管炎に分類される.本邦のAAVではMPAが多い,ミエロペロキシダーゼ(MPO)-ANCAが多い,高齢発症が多い,間質性肺障害が多いことなど臨床像が海外とは異なる点が挙げられる.B細胞を標的とするキメラ型抗CD20抗体リツキシマブ(RTX)であるが,主に海外のランダム化比較試験(RCT)(GPAが多く含まれる)において有効性が示され,2011年に米国でGPAおよびMPAに対する承認が得られ,本邦でも2013年に公知申請でGPAおよびMPAに対して保険適応となった.本邦ではAAVに対するRTX治療のエビデンスは海外より少ないが,本誌上ワークショップでは,AAVにおけるRTX治療のエビデンスとANCA関連血管炎診療ガイドライン2017における位置付けを述べる.

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© 2017 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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