2024 年 10 巻 1 号 p. B_10-B_19
自動運転車は車線維持支援システム(LKAS)を作動して走行するが、区画線がかすれている箇所では車載カメラが区画線を検知できず、LKAS が正常に作動しない場合がある。本研究では、区画線の剥離率と LKAS の作動状況との関係を把握するため、試験走路に剥離した区画線を整備し、複数車種の車両を繰り返し走行させて LKAS の作動状況を記録する実験を行った。その結果、本実験の条件下では、LKAS が作動可能となる区画線の剥離率の上限値は、晴天の場合では 75%程度の車種が多いことを明らかにした。また、LKAS の作動に影響する車両の走行条件として、「時間帯」、「天候」、「走行方向」があり、「昼間」、「晴天」、「昇順方向(区画線の剥離率が大きくなる方向)」の場合に LKAS 作動率が相対的に大きくなる傾向にあることを明らかにした。