日本草地学会誌
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刈取りの時期および高さが越冬後の数系統のエリアンサス(Erianthus arundinaceus (L.) Beauv.)の再生に及ぼす影響
松波 寿弥小林 真安藤 象太郎寺島 義文
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2014 年 59 巻 4 号 p. 253-260

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抄録

草型が異なるエリアンサス3系統を用い,刈取りの時期と高さが越冬後の再生に及ぼす影響を調査した。刈取時期は2010年11月と2011年2月の2時期とし,刈取高さは地際から5cmと30cmの2段階とした。越冬後の分げつ数や再生量は,刈取りの高さよりも時期に強い影響を受け,2011年5月の分げつ数と同年10月の再生量は,11月刈取区に比べ2月刈取区で多かった。刈取りの高さの影響は時期により異なり,11月刈取区では高刈区の5月の分げつ数や10月の再生量が低刈区と比べ多かったが,2月刈取区ではその関係は逆転した。以上の結果は,全ての系統で認められる傾向であったが,茎重型で顕著であった。5月の分げつ数と10月の再生量との間には,高い正の相関関係が存在した。11月刈取区で再生量が少なかったのは,越冬後の刈株の分げつ芽を介した再生能が低下したためと推察された。

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© 2014 著者
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