医学検査
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技術論文
DaptomycinのEtest法によるMIC測定における精度管理の重要性および問題点
中島 英恵
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2014 年 63 巻 5 号 p. 568-572

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抄録

ダプトマイシン(DAP)非感性株を含むStaphylococcus aureusS. aureus)13株を使用し,市販の3ブランド(BD,栄研,極東)のミュラーヒントン寒天培地を用いた際のEtest法によるDAPのブレイクポイント(BP)(MIC値が1 μg/mL)付近のMIC値の測定精度について,微量液体希釈法を基準に,比較検討した.精度管理(QC)株には,S. aureus ATCC29213およびEnterococcus faecalis ATCC29212を使用した.S. aureus 13株に対するMIC測定では,QC株に対するMIC値がQCレンジ外であった栄研及び極東で,偽感性が発生した.BDは,QC株に対するMIC値はQCレンジ内であったが,偽非感性が発生した.S. aureusに対するDAPのMIC測定では,BPとかけ離れたMIC値を示すS. aureus ATCC29213だけでなく,DAPのBP値を示すS. aureus株もQC株として設定していく必要がある.

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© 2014 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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