日本皮膚科学会雑誌
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SLEの皮膚病変に見出された in vivo LE 細胞
吉江 治彦酒井 康弘山路 和彦井上 憲昭上野 エリ子近藤 清彦岩本 奈津
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1980 年 90 巻 8 号 p. 733-

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抄録

皮膚生検組織内に LE 細胞とヘマトキシリン体か見出された SLEの39歳男性例を報告した.自験例は多彩な臨床症状を呈す重症例で,顔面,側胸部,四肢に多型紅斑様の皮疹が散在していた.皮膚生検は,不十分であるが,既にステロイド剤が投与されてから10日目に右肘頭部紅斑より施行した.組織像は特異であり,真皮全層から皮下組織の血管と周辺結合織の顕著な変性・壊死を示し,多くの核破片を伴うリンパ球,組織球,好中球よりなる炎症性細胞浸潤がみられ,これらに LE 細胞とヘマトキシリン体が混在していた. in vivo LE 細胞は稀な現象であり,通常体腔液で発見されることが多く,皮膚生検組織内に見出されたことは,過去において1例の報告がなされているにすぎない.

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© 1980 日本皮膚科学会
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