日本皮膚科学会雑誌
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色素性乾皮症におけるDNA修復合成について
秋葉 弘加藤 泰三清寺 真
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1975 年 85 巻 8 号 p. 447-

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抄録

9例の色素性乾皮症(XP)患者より生検し皮膚線維芽細胞を培養した.培養細胞について,UV 誘発 DNA 損傷の修復合成レベルおよび UV 感受性を調べた.修復合成は 3H-サイミジンを取り込ませジジオオートグラフ法で定期外 DNA 合成をみることによって観察した.幼児2例と少女1例で修復合成は完全に欠損し,成人例のうち XP-5 は正常に近い修復を行ない,他の5例はその中間の低い修復レベルである.臨床症状と修復レベルの間に相関関係はない.しかし兄弟例 (XP-3, XP.4) は同じ程度の修復レベル,UV 感受性および臨床症状を示し,修復レベルと臨床症状との間の関連性を暗示させる,修復欠損幼児2例は将来重篤な De SanctisCacchione 症候群に進む可能性があり経過観察が必要である.われわれの症例は従来の報告に比べて年齢,症状がさまざまであり,また DNA 修復合成レベルもいろいろであり特異的である.

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© 1975 日本皮膚科学会
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