2021 年 131 巻 4 号 p. 713-718
デュピルマブは難治性のADに対して非常に有効性が高く,臨床試験では部位による効果の差を認めなかった.しかし,実際には頭頸部のみデュピルマブの効果が乏しい症例を経験する.今回,我々は当院でのデュピルマブを使用した34例において4週と16週時点でのEASI改善率を頭頸部,上肢,体幹,下肢の部位別に分けて解析した.その結果,16週時点では頭頸部は他の3部位と比較して有意にEASI改善率が低い結果となった.また,頭頸部のみ増悪する症例も認めた.このような結果の要因を過去の文献的考察を含めて考察する.