日本皮膚科学会雑誌
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原著
皮膚原発blastic NK cell lymphoma:1例報告と過去の報告例35例のまとめ
前川 武雄湧川 基史菅谷 誠林 伸和朝比奈 昭彦大河内 仁志伊豆津 宏二平井 久丸竹内 賢吾玉置 邦彦
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2002 年 112 巻 6 号 p. 829-836

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抄録

Blastic NK cell lymphomaは近年NK cell lymphomaの1亜型として報告されるようになった疾患で,皮膚に好発することや非常に予後が悪いことが特徴的である.今回我々は,Blastic NK cell lymphomaと診断し,末梢血幹細胞移植を施行した1例を経験したので報告する.症例は31歳,男性.初診の5カ月前より背部に紅斑が出現,徐々に増大し腫瘤を形成.初診時,左背部に57 mm×47 mm×6 mm大のドーム状に隆起した骨様硬の紅色腫瘤と45 mm×26 mm大の浸潤を触れる紅色局面を認めた.病理組織学的には真皮上層から脂肪織にかけてびまん性に中~大型の幼弱な異型リンパ球が浸潤し,免疫染色にてCD4,CD56陽性,in situ hybridizationによるEBERは陰性であった.また,左腋窩リンパ節にも同様の細胞浸潤を認めた.Blastic NK cell lymphomaと診断し,多剤併用化学療法,電子線照射療法を行い完全寛解となったが予後の悪さを考慮して,弟からの末梢血幹細胞移植を施行した.16カ月経った現在まで再発,転移を認めていない.過去のblastic NK cell lymphomaの報告例では,末梢血幹細胞移植の施行例はほとんどないことから,貴重な症例と思われた.

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© 2002 日本皮膚科学会
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