日本皮膚科学会雑誌
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マグネシウム欠乏性皮膚炎 その発生に伴うロイコトリエンの濃度の変動並びに塩酸アゼラスチンの抑制効果について
花田 勝美秋田 尚見橋本 功
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1990 年 100 巻 7 号 p. 757-

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抄録

マグネシウム欠乏性皮膚炎の発症機序を検討する目的で,マグネシウム欠乏ヘアレスラットを用い,血中ロイコトリエン(LTB4,LTC4,LTD4)の測定を行った.また,5-リポキシゲナーゼ阻害剤である塩酸アゼラスチンの皮膚炎抑制効果を併せて検討した.マグネシウム欠乏ラットで上昇をみたのはLTB4のみで,LTC4,LTD4は著明な変動を示さなかった.皮膚炎は塩酸アゼラスチン投与群において抑制され,その抑制程度は投与量に依存する傾向を示したが,LTB4の推移とは併存しなかった.すなわち,マグネシウム欠乏性状態ではLTB4の上昇を伴うが,皮膚炎との因果関係は明らかでなく,塩酸アゼラスチンの皮膚炎抑制効果はLTB4の産生阻害によらないことが示された.

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© 1990 日本皮膚科学会
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