伝搬演算子を活用した有限要素法による光導波路解析の効率化

森本 佳太
井口 亜希人
辻 寧英

誌名
電子情報通信学会論文誌 C      No.8    pp.291-298
発行日: 2023/08/01
早期公開日: 2023/04/14
Online ISSN: 1881-0217
DOI: 10.14923/transelej.2022JCI0021
論文種別: 招待論文
専門分野: 電磁界理論
キーワード: 
有限要素法,  光導波路,  伝搬演算子,  境界条件,  領域分割法,  

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あらまし: 
有限要素法は任意構造への適合性と汎用性に優れ,広く光導波路解析で活用されている数値解析手法の一種である.近年では光回路素子の更なる高性能化を目指し,デバイスの微細構造設計が盛んに行われているが,解析のための計算処理時間が膨大となるため,今後の実用性を考慮した高速な解析技術が求められている.本論文では伝搬演算子を用いた計算法を有限要素法に導入することによる解析の効率化について検討を行っている.伝搬演算子による境界処理により,吸収境界条件を課すことなく解析領域を無反射で終端することが可能となる.また任意構造に対する伝搬特性を散乱演算子モデルで表すことができるため,反復計算を必要としない領域分割法を実装できる.ここでは2次元導波路を考え,伝搬演算子の具体的な導入方法と解析例を示す.