端末アンテナシステム技術:30年にわたる研究開発の足跡

小川 晃一

誌名
電子情報通信学会論文誌 B      No.11    pp.491-504
発行日: 2020/11/01
早期公開日: 2020/07/21
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2020API0002
論文種別: 特集招待論文 (無線技術の伸展を促し支えるアンテナ・伝搬及び関連システムの論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
端末アンテナ,  移動体通信,  ダイバーシチ,  アダプティブ,  MIMO,  

本文: FreePDF(21.4MB)

あらまし: 
本論文の目的は,ダイバーシチからアダプティブアレー,そしてMIMOアレーアンテナと進化し続けてきた端末アンテナシステム技術の30年にわたる進化の足跡を,筆者が携わってきた研究開発を中心にまとめ,第5世代以降(B5G: Beyond 5G)の移動体通信に向けた技術開発に対する教書的役割を担うことである.すなわち,第2世代以前の一見古典的と見える研究成果を現在の応用技術と結びつけることによって,その研究当時とは全く異なった温故知新的発想が従来研究に新しい価値を吹き込み,新規性のある研究を生む原動力になり得ることを説く.更に,現在実施している飛翔車両(空飛ぶ車)向け高速通信アンテナに関する研究開発プロジェクトを通して,新たな利用技術が要求するキー技術と解決策の関係を考察し,拡大し続ける端末アンテナシステム技術を未来に向けて展望する.