アジア諸国においては、経済成長による電気電子機器の保有とともに排出量が年々増加している。日本では家電、パソコンや小型家電のリサイクル制度が整備されてきたが、資源の散逸や地球温暖化防止の観点からより大きな問題を見逃さないためにも、潜在的な排出ポテンシャルが大きく管理制度が伴っていない国々での排出量を把握する必要がある。本研究では、冷媒フロンを含む家庭用エアコンを取り上げ、将来のアジア諸国における使用済みエアコンの排出量を推計するとともに、冷媒フロンの代替シナリオを考慮したフロン排出量も推計した。また、フロンの適正な処理施設が整っていない国における対策検討に資するためにも、中国などを対象として、フロン処理システムの対策シナリオを検討してシナリオごとの費用対効果を分析した。