関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: O-052
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口述
CCS指導方法に関する教育者の感想
木島 隆
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抄録

【目的】近年臨床実習のあり方に問題視される場面が多くなってきており,指定規則の変更によるガイドラインにも実習方法の変更が盛り込まれている.本校では2017 年度の臨床実習(長期)よりクリニカルクラークシップ(以下CCS)導入し、導入前後に学生の良好な時間的変化を昨年の本学会で報告した.今回導入初年度にクリニカルエデュケーター(以下CE)に実習施設訪問中に聞き取り調査を行いCCS導入に際してのCEとしての感想をまとめたのでここに報告する.

【方法】56施設62名のCEに実習施設訪問の際に聞き取り調査を実施した.対象は経験年数10.8±6.5年(平均経験年数±標準偏差:経験年数範囲:4 〜30年)であった.調査項目はCCSを実施しての感想とし,自由意見として述べて頂き集計後,①すごく良い②良い③あまり良くない④良くない⑤その他の5件に分けた.また,肯定的・否定的・その他の感想に分けカテゴリー化し傾向や性質を検討した.なお,本研究に際し施設名・氏名などを除き第三者がデータ化したため施設や個人が特定されるようなことはない.

【結果】①21名(33.9%),②28名(45.2%),③6名(9.7%), ④1名(1.6%),④6名(9.7%)であった.肯定的意見としては,教育方法が良い(11件)や時間に余裕・業務がスムーズ(7件),チェックリストが良い(6件)などであった.否定的な意見は,レポートは必要(7件)や学生の考え方が分かりづらい(4件)などであった.その他としては,学生の積極性が必要(5件)などの感想であった.

【考察】今回の調査の結果CCSでの実習方法はおおむね良好な感想であった.肯定的な意見は主に学生の経験や成長を考えた教育者的思考が伺えた.否定的な意見は教育者自身の経験からの意見や教育方法への不安がみられた.実習方法の変更は,変更に至った背景や方法の正しい理解と実践経験が重要であると考えられる.

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© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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