主催: 日本理学療法士協会
会議名: 第53回日本理学療法学術大会 抄録集
開催日: 2018/07/16 - 2018/12/23
【はじめに・目的】
Drop vertical jump(DVJ)は青年期女性選手に対する膝前十字靭帯(ACL)損傷のスクリーニングテストとして開発された。エリートハンドボール選手に対するDVJの有用性については疑問視する報告もあり,受傷機転の異なる競技間の違いについて検討する必要がある。大学生女性アスリートのDVJにおけるACL損傷危険率算出項目について競技別に比較し,競技別の特徴を明らかにすることを目的とする。
【方法】
大学生女性アスリート62名(サッカー22名,バスケットボール22名,バレーボール18名)を対象とした。動作課題はDVJとし,Myerらが報告したACL損傷危険率の算出項目(体重,脛骨長,膝外反変位量,膝屈曲角度変位量,QH比)の平均値について競技別に比較した。統計学的解析は一元配置分散分析,多重比較検定を用いて検討した。
【倫理的配慮】
本研究はヘルシンキ宣言に則り,新潟医療福祉大学倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】
膝外反変位量について競技間に有意な差はなかった。膝屈曲角度変位量についてバレーボールがサッカー,バスケットボールに比べ有意に大きかった(p<0.05)。
【考察】
相手との接触のない競技であるバレーボールでは十分な膝関節屈曲を伴うジャンプ動作を行っていることがDVJにおいてサッカー,バスケットボールに比べ膝屈曲角度変位量が大きいことに影響したと考えられる。競技によってDVJにおける動作の特徴が違うことが示唆された。