理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1619
会議情報

神経系理学療法
リハビリテーション・オプションパスの試用について
井村 智弘羽根田 敦司川村 麻代嶋田 愛森 昭紘藤本 福美村木 紀子和田 福広松浦 昭彦藤尾 美枝西尾 奈美鯨津 吾一井上 隆
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抄録

【はじめに】
当院は大阪府茨木市にある急性期病院である。昨年度の学術大会において、当院リハビリテーション科で作成したリハビリテーション・オプションパス(以下、オプションパス)の試用とその結果を示したが、急性期病院であるため設定期間を4週間と設定したことにより、回復期リハビリテーション病院へ転院する患者であっても、50%が予定期間終了となり経過を追えなかったこと、設定した評価項目を実際には使用できにくい現状があったこと等の理由により未完成に終了し、また転院先の回復期リハビリテーション病院とも連携が図りにくい現状があった。
そこで、前回使用を試みたオプションパスに修正を加え、再度試用することを検討し、地域連携の一助につなげていきたいと考えている。
【対象・期間】
平成19年12月から平成20年2月までの約3ヶ月間に、当院脳神経外科より紹介依頼のある脳血管障害を対象とする。期間はリハビリテーション指示日から8週間を設定し、期間内に退院不可能な症例については、最大4週間延長とする。
【CP設定項目について】
急性期病院では機能形態障害(Impairment)レベルでの改善に着眼点が置かれがちであるが、OT・STも含めた医学的リハビリテーションの効果を考えると、全体としての日常生活活動を考えていく必要がある。よって前回と同じく、Outcomeの設定に関しては当院でのオーダリングシステムにて入力している項目を集約して独自に医療者側Taskとして設定し、患者側Outcomeとしては転院先病院と連携を図るため標準的スコアに加えて基本的ADL項目を設定した。
【考察と今後の展開】
現在当院には脳血管障害の治療においては脳神経外科クリニカルパス(以下、CP)が活用されているが、リハビリテーション領域においては未開拓である。CPは全職種科参加型が理想的ではではあるが、当院を含めて病院事情によって異なる部分が大きい。リハビリテーション科においてオプションパスを作成することは、関連職種が参加することを意識して、またリハビリテーション科内でも複数の担当者で、患者様のリハビリテーション・スケジュールをともに考えていくことができるツールになると考える。

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© 2008 日本理学療法士協会
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