理学療法学Supplement
Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 966
会議情報

骨・関節系理学療法
運動療法を阻害する痛み・痺れ・筋緊張の異常などに対する理学療法
平成18年度文部科学省委託事業専修学校教育重点支援プラン「理学療法士養成課程への筋調整法(MTアプローチ)導入のための教育プログラムの作成」における先行実態調査
*奥 壽郎高田 治実江口 英範坂本 雄甲斐 みどり塩田 紀章榎本 康子神田 太郎石垣 栄司内田 学斉藤 弘高橋 輝雄畠山 敦星野 浩通
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抄録

【はじめに】本校では、平成18年度文部科学省委託事業専修学校教育重点支援プランとして、「PT養成課程への筋調整法(マイオチューニングアプローチ:MTアプローチ)導入のための教育プログラムの作成」を進行中である。先行実態調査として、「運動療法を阻害する痛み・痺れ・筋緊張の異常などに対する理学療法」(以下A)についてアンケート調査を実施したので報告する。
【方法】PT養成専修学校134校のうち、郵送法無記名アンケート調査でPT養成課程へのA導入の現状と必要性を調査し回答が得られた69校を対象とした(回収率51.2%)。依頼は7月、回収は9月とした。
【結果】A導入の必要性については、「必要である」69校中62校(89.9%)、「必要でない」1校(1.4%)、「どちらでもない」6校(8.7%)であった。「必要である」の意見は、「臨床で対象・訴えが多い」16校、「偏らない教育」7校、「運動療法に直結するから」4校、「臨床実習で学生が難渋する」3校などであり、「必要でない」・「どちらでもない」の意見は、「学校教育の内容ではない」2校などであった。現在の日本のPT養成においてAが導入されているかについては、「導入されている」69校中15校(21.7%)、「導入されていない」23校(33.3%)、「どちらでもない」31校(45%)であった。学科としてAに関心があるかでは、「ある」69校中54校(78.3%)、「ない」3校(4.3%)、「どちらでもない」11校(17.4%)であった。養成校においてAをカリキュラムに導入しているかでは、「導入している」69校中58校(84.1%)、「導入していない」10校(14.5%)であった。内容として0徒手療法では、AKA9校、モビライゼーション8校、PNF6校、ストレッティング5校などであり、物理療法は全校、正規科目であった。PT養成課程におけるAに対する意見では、「EBMの確立が必要」10校、「卒後教育の分野」7校、「卒前で基礎、卒後で各論」7校、「現状に即したガイドライン必要」5校、「技術乱立(教育しにくい」4校などであった。
【考察】養成校側ではPT養成課程へのA導入の必要性はあるとの意見であった。また、徒手療法を中心に対応していた。MTアプローチは前述した症状に対応できる手法であり、MTアプローチをPT養成課程に導入していくためには、EBMの確立、技術および理論の体系化、卒前・卒後教育の範囲分けなどの問題に対して解決していく必要があると考えられた。

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© 2007 日本理学療法士協会
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