ファルマシア
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同一組成の多形関係にある塩および共結晶の結晶特性と安定晶評価
藤戸 貴之
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2020 年 56 巻 7 号 p. 681

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抄録

医薬品原薬は,溶解性,安定性,経口吸収性あるいは製造性を改善するために,2成分以上から構成される原薬形態である塩や共結晶がしばしば検討される.塩と共結晶を見極めることは,物理化学的特性や薬物動態特性のみならず,レギュラトリーサイエンスや知的財産の観点からも非常に重要である.Cruz-Cabezaが提案したモデルによれば,活性分子と添加剤間のpKaの差が-1<⊿pKa<4である場合,塩あるいは共結晶の形成確率を計算することができる.
本稿では,⊿pKaが2で塩と共結晶が得られる確率が同程度のモデル化合物を用い,取得された多形関係の塩および共結晶を多面的に評価した事例を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Cruz-Cabeza A. J., CrystEngComm., 14, 6362-6365(2012).
2) Bernasconi D. et al., Cryst. Growth. Des., 20, 906-915(2020).

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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