ファルマシア
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痛みを調節する皮膚シュワン細胞
渡辺 俊
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2020 年 56 巻 5 号 p. 443

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抄録

神経軸索は,ミエリンで絶縁されることで高速な信号伝達を行うことができる.ミエリンの形成はグリア細胞の一種が担い,中枢神経系ではオリゴデンドロサイト,末梢神経系ではシュワン細胞が分化することで形成される.シュワン細胞はミエリンを形成するだけではなく,軸索保護や栄養供給といった生物学的機能を有しているものの,その機能には不明な点が多い.末梢神経線維におけるシュワン細胞は,脊髄のアストロサイトやミクログリアと同様に,痛みの過敏化や慢性化に関与している.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Monk K. R. et al., Glia, 63, 1376-1393(2015).
2) Wei Z. et al., Front Cell Neurosci., 13, 116(2019).
3) Abdo H. et al., Science, 365, 695-699(2019).

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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