はじめに: 障害者歯科の対象患者は、歯科診療を行うにあたり特別な配慮や知識をもって対応することが必要な方々であり、障害者基本法に規定される障害者のみが対象ではない。この点は行政の考える対象と大きく隔たりがある。そこで障害者歯科診療の現況を明らかにすることを目的とし、統計的観察を行った。 対象と方法: 対象は雄勝中央病院口腔医療センターで、平成22年度1年間に全身麻酔など特別な管理のもとに診療した障害者歯科患者とした。方法は麻酔台帳をもとに患者数、症例数、年齢、障害ならびに合併疾患の種類について調査した 結果: 患者数127名症例数255例であった。障害は精神発達遅滞が最も多く41名であった。また高血圧症、脳梗塞の既往を有する患者と歯科治療恐怖症を有する患者が多いのが特徴的であった。