日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: O3-4
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口頭発表3(感情・記憶)
記憶抑制における覚醒度の影響
*本間 喜子川口 潤
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抄録

ネガティブ刺激はニュートラル刺激と比べて,繰り返し思い出すことによる促進効果と繰り返し思い出さないことによる抑制効果が大きい。感情価だけでなく覚醒度も影響するのかどうかを検討するため,本研究では覚醒度を実験参加者内要因として操作した。実験参加者は3つの覚醒水準 (高・中・低) からなる単語対を学習した後,手がかり語が提示され,対になっていたターゲット語を思い出す (Think条件),あるいは繰り返し思い出さないよう (No-Think条件) 教示された。最後に,全てのターゲット語を思い出した。その結果,Think条件では全ての覚醒水準において促進効果がみられたが,覚醒度による違いは生じなかった。一方,No-Think条件では抑制効果は認められず,覚醒度による違いも生じなかった。これらの結果から,記憶の検索コントロールに対して覚醒度は影響しない可能性が示唆された。

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© 2010 日本認知心理学会
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