日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: W1-3
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ワークショップ1 認定トキシコロジスト制度 -これまで、現在、これからー
IUTOXトキシコロジー承認タスクフォース活動について
*広瀬 明彦
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抄録

日本毒性学会の認定トキシコロジスト(DJSOT)制度は、米国のABT(American Board of Toxicology)による認定トキシコロジスト(DABT:Diplomate of ABT)制度を手本として制度設計した経緯から想定されるように、両制度は言語の違いはあるもののほぼ同レベルの認定制度を運用していると考えて良い。一方、欧州のEROTOXではERT(European Register of Toxicologists)というトキシコロジスト認証制度を運用しているが、DABTやDJSOTで行っているような試験による認証ではなく、欧州各国の学会による毒性学的経験に基づいた推薦とEUROTOXによる認証過程を経ることが必要条件となっている。IUTOX加盟学会の中にはこれ以外にも英国やドイツなど様々な認定トキシコロジスト制度が運用されている。IUTOXでは、これらの世界各国で独立して運用されている認定トキシコロジストの国際的な認知度の向上をめざし、IUTOX加盟学会内で相互承認できるシステム開発を目指したトキシコロジー承認タスクフォース(TRTF)を2011年に設置した。上記のように各国で様々な要求レベルで制度が既に運用されている現状から、単純な相互認証を行うことは実質的に不可能であるが、加盟学会間での相互認識を促す目的として、各認定トキシコロジー制度における認定要件の一覧表(TRTF MATRIX)を作成し、IUTOXのホームページに公開している。現在は、各認定制度で共通となっている認定要件を抽出しつつ、各加盟学会による推薦IUTOXによる認証というERTのような認証制度の構築が提案されている。本講演では、TRTF IUTOX活動のこれまでの概況と、この3月に開催されたTRTFの会議の結果を受けた最新情報を紹介する。

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