日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: JH-7
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就職活動支援プログラム 安全性研究の現場紹介 (それぞれの職場で求められる専門性の向上と必要なコミュニケーション能力)
外資系企業・非臨床毒性領域担当者の役割とチームワーク
*杉元 陽子
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抄録

近年製薬業界のグローバル化が加速している。国内企業は海外展開を進め,外資系企業は日本市場に積極的に参入し,三極同時開発がスタンダード化する中,国内企業であっても外資系企業であっても会社全体としての医薬品開発の進め方に差はなくなりつつある。しかしながら,非臨床毒性領域担当者の職責については,国内企業(=グローバル本社)と外資系企業(=グローバル企業の日本法人)では大きな違いがある。多くの外資系製薬企業は国内に研究施設を持たず,新薬開発および申請に必要な非臨床試験のほとんどはグローバル本社により計画・実施されるため,国内の非臨床毒性担当者は,既に終了した試験の成績や評価を元に新薬開発及び申請を行うことになる。グローバル本社の決定に基づき,日本独特の言語や慣例に合せて開発を進めていくためには,常にグローバルの毒性試験担当者や関連部署担当者と密にコミュニケーションを取り,お互いの見解をすりあわせながら合意点を導き出していく必要がある。さらに,日本国内においては,関連部署,担当者に対して,グローバルを含めたR&D(研究開発)代表として情報を発信し,社内調整を行っていくことも重要な職責のひとつである。また,少人数で種々の開発段階,数多くの開発候補品を同時に扱うことも国内企業と異なる点である。幅広い知識と高度の専門性を活かしたスピーディな判断と,効率的に業務をこなすための部内でのチームワークが必要となる。
本演題では,外資系製薬企業における非臨床毒性領域担当者の業務について具体例を紹介するとともに,専門性の向上とコミュニケーションの重要性について概説したい。

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