日本地理学会発表要旨集
2010年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 310
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ネパール・テライ低地におけるヒ素汚染調査 (2)
*中村 圭三大岡 健三駒井 武
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抄録

 2009年9月に、ネパール・テライ低地のナワルパラシNawalparasi郡パラシParasiの東西約6km、南北約10kmの地域において、井戸水のヒ素汚染に関する調査を実施した。  その結果、次の知見が得られた。 (1) 雨季のヒ素濃度は、平均して乾季の1/3に減少した。その要因としては、 雨季の降水による希釈が考えられる。 (2) 雨季には、 地中・地下水中の還元状態が強まった。井戸水のORPは、乾 季の-130~+142mvから雨季の-170.8~+3mvへと、大きく減少した。 (3) 2008年3月と同様、ヒ素濃度とORPとの間の負の相関が得られた。 (4) 調査地域の西約2kmにおける深さ80mまでのボーリング調査結果が得ら  れた。それによると、深さ20mのヒ素濃度が195ppbと最も高い値を示した。 しかし40mでは、12ppb と極端に低くなり、調査地域と類似の濃度分布が確 認された。

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