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世界の海洋には、夏期においても鉄が不足し(0.2nM以下)、植物プランクトンによる基礎生産が制限され、硝酸などの栄養塩が余っている海域が3海域ある(南極海、赤道湧昇域、亜寒帯太平洋)。微量元素である鉄濃度を調節し、余っている栄養塩を使って、基礎生産を促し、大気中の二酸化炭素を海洋に吸収させる実験が海洋鉄散布実験である。本発表では我が国主導した3つの実験(SEEDS, SERIES, SEEDS II)の概要を紹介するとともに、一連の鉄散布実験以降、国際社会が、鉄散布を含む地球工学的手法がどのように認識され、法的規制へと至ったかを紹介する。